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サル社会を解明しよう
373950 「人類の二足歩行は草原で始まった」説を否定する注目の新説とは
 
わたっきー ( 28 愛知県 会社員 ) 22/01/13 PM05 【印刷用へ
「「人類の二足歩行は草原で始まった」説を否定する注目の新説とは(リンク)」
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前略

■類人猿は大きなサル
 たいていのサルには尾があるが、尾のないサルもいる。尾のないサルを類人猿という。だが、類人猿には、尾のないことの他にも大きな特徴がある。それは体が大きいことだ。1番大きいサルはゴリラで、2番目に大きいサルはヒト、3番目はオランウータンだ。でも、こんなに大きなサルが木の上で生活をしていたら、困ったことが起きる。枝が細いと、折れてしまうのだ。

 ところが、果実はしばしば枝の先のほうに実る。果実を食べようとすれば、枝の先のほうまで、つまり枝の細いところまで行かなくてはならない。でも、あまり無理をすると、枝が折れて、地上に落ちてしまう。そうしたら、死んでしまうかもしれない。いくら美味しい果実が食べたくても、死んでしまったら元も子もない。では、どうすればよいだろうか。

 枝を折らないためには、複数の枝に体重を分散させて、1本の枝に掛かる重さを減らせばよい。そうすれば、枝が折れる可能性は低くなるし、もしも枝が1本折れても、他の枝にぶら下がって助かるかもしれない。

 このように、複数の枝に体重を分散させながら枝の上を歩くには、四足歩行よりも二足歩行のほうが便利だろう。足で枝の上を歩きながら、手で他の枝を掴むことができるからだ。

 アルディピテクス・ラミダスは初期の人類の1種だが、木の上を二足歩行していた可能性がある。アルディピテクス・ラミダスの足の親指は、他の4本の指と離れており、足で枝を掴めたからだ。つまり、すべての手足で、枝を掴むことができたのだ。

"ある段階"のために、地上では進化できないはず

 アルディピテクス・ラミダスの体重は、50キログラムぐらいと考えられている。こんなに重いアルディピテクス・ラミダスが、枝先の果実を食べようとしたら、複数の枝に掴まらないと、枝が折れてしまっただろう。そこで、枝を折らないために、二足歩行が木の上で進化した可能性があるのである。

 ところで、四足歩行から直立二足歩行へ移る途中には、その中間の中腰歩行の段階があったかもしれない。中腰歩行があったとすれば、それはヨタヨタ歩きに近い不自然な歩き方だったろう。四足歩行や直立二足歩行は、それなりに適応的な状態だとしても、その途中の中腰歩行が適応的な状態だとは思えない。

 もし、そうだとすれば、四足歩行から二足歩行が進化することは難しい。四足歩行から二足歩行が進化するためには、途中で非適応的な中腰歩行の段階を通らなければならない。

 しかし、自然淘汰による進化は、非適応的な状態に向かうことはない。たとえ、はるか先には二足歩行という適応的な状態が待っているとしても、その手前に中腰歩行という非適応的な状態が存在すれば、進化はそちらには進まないのである。

 しかし、木の上で二足歩行が進化したのなら、この問題は解決されるかもしれない。体の大きい人類の祖先が、枝先の果実を食べようとしている。四足歩行で、1本の枝の上を歩いて果実に近づいた場合は、枝が折れて地上に落ちてしまう。しかし、少しヨタヨタしていても、中腰歩行で、複数の枝に掴まりながら果実に近づいた場合は、枝は折れずにめでたく果実を食べられる。

 木から落ちなければ、果実も食べられるし怪我もしない。だから、木から落ちる回数が少ないほうが、適応的なはずだ。したがって、四足歩行より中腰歩行のほうが、適応度が高くなる可能性が高い。そのときは、四足歩行から中腰歩行への進化が起きる。中腰歩行まで進化が進めば、その先の二足歩行は適応的なので、中腰歩行を通過して二足歩行まで進化は進むと考えられる。

 四足歩行から直立二足歩行に進化するには、中腰歩行の段階を通らなければならない。しかし、地上では、四足歩行より中腰歩行のほうが非適応的なので、進化は中腰歩行を通過できない。その結果、直立二足歩行は進化しない。いっぽう、木の上では(体重が重ければ)、四足歩行より中腰歩行のほうが適応的なので、進化は中腰歩行を通過することができて、直立二足歩行まで達すると考えられる。

後略
 
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