否定脳(旧観念)からの脱却
985 現状の経済システムに問題あり
 
阪本剛 HP ( 27 千葉 SE ) 01/03/07 AM05 【印刷用へ
そもそも、消費が拡大しない限り、現在の経済システムが成り立たないところに問題があるのではないでしょうか。

 
■■■「ホモ・エコノミクス」というドグマ

 経済学では,「すべての人間は己の利益を最大化するように行動する」という人間像を前提条件として考えています。

 アダム・スミスに始まる近代経済学は、リカードによる数量化、ワルラスの限界革命と一般均衡理論、アロー、ドブリューの高度な数学による均衡理論の完成という歴史をたどって作られた、現在の数理経済学のモデルは、二つの行動原理が前提となっています。

 それは、企業は利潤最大化を、消費者は効用最大化を目的として経済活動を行う、というものです。

 このような人間像を「合理的経済人」(ホモ・エコノミクス)と呼びますが、この純理論モデルは、現実を説明しきれないにも関わらず、モデルの限界が明確でなかったこと、他の行動モデルを扱うことができなかったことを理由に、長い間、存続し続けました。

(現在の経済学では、ゲーム理論など、経済主体への条件付けが考慮されるようになってきています。)

■■■「神の見えざる手」
 
 この行動原理の導入によって、経済学は経済主体の行動を数学的に処理することが可能になり、市場における「神の見えざる手」の正当性を証明することができたのです。

 「神の見えざる手」とは、個人が(社会的公正を考えなくとも)己の欲望に忠実に経済活動(消費と生産)を追求すれば、市場の中で自ずと供給と需要の均衡が達成され、結果として社会的公正と福利が達成するという仮説です。

 経済学、およびここから派生した現代の財政理論、金融理論は、この仮説を軸に、補強と批判を繰り返しながら発展してきました。

 我々が経済を語るにおいても、このホモ・エコノミクスのモデルは、無意識に前提とされています。

 「なぜ、消費は拡大しないのだろう?」という問いを発する意識の裏側には、新古典派の理論モデルの考え方が明らかに反映されているのです。

■■■現状が示す理論の誤謬

 しかし、社会的正義は達成されたでしょうか?

 積み上がる財政赤字、破壊される環境、投機市場による実物経済の蹂躙は、解決できるのでしょうか?

 現状の不況は、この仮定に対する、まさに反証です。

 我々に必要なのは、「ホモ・エコノミクス」を越えた新しい経済原理ではないでしょうか? 
 
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