原始共同体社会
5609 「交叉婚」の集団性は?
 
平野令 HP ( 37 大阪 建築家 ) 01/06/26 PM05 【印刷用へ
矢野さん、永田さん、トリブリアンド島の事例、たいへん参考になります。以下の点についても、観察、見解などありましたら教えて下さい。

トリブリアンド島以外に、オーストラリアのカミラロイ族やハワイでも見られた交叉婚は、兄妹婚をとっていた採集生産部族が、生産力の上昇に伴い人数規模が拡大する過程で、兄弟婚をアレンジしてできた様式だと考えています。
〜もとは、ひとつの氏だった“部族”が縄張り拡大に伴って、母系でたどれる血縁を基準に “氏族” に分割し、その中で兄妹婚を踏襲していた。〜が、世代を経ると、他氏族間の交流が減るので、氏族単位での閉鎖性が強まるとともに、部族としての統合力が下がってくる。〜ここで改めて、部族としての統合力を高めるために、氏族内の兄妹婚を禁止し、(部族内かつ他氏族の兄たちと妹たち=)従兄たちと従妹たちとの婚姻を規範とした。〜という具合です。

ここで私が驚いたのは、採取時代の人類は、男女の婚姻関係・性関係が、“集団統合上の重要課題である”ことを、ごく当たり前のように認識していたと思われることです。
現在の男女関係は、その大部分が個人の自由に委ねられており、一見、これとは無関係に社会は成立しているように見えます。しかし実は、現在も社会を最基底部で規定しているのは、採取時代と同様に男女関係なのではないでしょうか?

もう1点着目しておきたいのは、交叉婚でも婚姻相手の単位は“個人”ではなく、“集団”であるという点です。採集生産系の民族では、その後、私財(権)の発生に伴ない姉妹集団が個人に分断されてきますが、それまでは、男女関係においても“私”が集団統合上の問題として登場することはなかったのでしょう。

上記の捉え方については、ほかの婚姻様式でも検証・対比していきたいところです。
 
List
  この記事は 5415 への返信です。
この記事に対するトラックバックURL  http://www.rui.jp/tb/tb.php/msg_5609
  ※トラックバックは承認制となっています。

 この記事に対する返信とトラックバック
218564 カミロライ族の交叉婚について TAB 09/10/31 AM00
218563 「交叉婚」は希薄になる集団の繋がりを強める為に考え出された。 向芳孝 09/10/31 AM00
218561 トロブリアンド諸島で酋長のみが一夫多妻制を許されているワケ りんいちろう 09/10/31 AM00
218471 人類は婚姻規範を組み変えて外圧に適応してきた 新川啓一 09/10/30 AM00
138939 集団の課題には集団圧力がかかる ぎゃお 06/12/01 AM00
87512 婚姻が社会と切り離されて50年も経ってない 本田真吾 05/03/17 PM10
86680 「性」を真正面から見据えて考える必要性を強く感じます。 松下直城 05/03/03 PM02
5655 採取時代は学べることが多そうです 矢野聡子 01/06/28 AM01
5615 婚姻とは集団課題である 麦秋 01/06/26 PM11

[過去の記事へ]
[一覧へ戻る] [新しい記事へ]


◆実現論本文を公開しています。
 実現論 : 序  文
 第一部 : 前  史
 第二部 : 私権時代
 第三部 : 市場時代
 第四部 : 場の転換
 参考文献

「合同板」必読記事一覧
01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28
市民運動という騙し(社会運動が社会を変えられなかった理由)
民主主義という騙し:民主主義は自我の暴走装置である
自我ではなく、共認こそ原点である
自我とは?(フロイトとラカン)
個人主義<=>全体主義 と、利己主義<=>利他主義
現実否定の自己欺瞞
社会運動の自己欺瞞
市民という言葉の欺瞞
自然法、基本的人権とは何か−1
自然法、基本的人権とは何か−2
自然法、基本的人権とは何か−3
前夜の意識状況3 無用となった感応観念(価値観念や規範観念)
構造認識の現況1 否定意識や自我観念から脱却できない近代人=現代人
構造認識の現況2 特権知識階級の商売道具と化した「構造認識」
構造認識の現況3 既成観念の全的否定
観念パラダイムの逆転1 現実捨象の倒錯観念から、観念捨象の現実直視へ
観念パラダイムの逆転2 現実否定の倒錯思考
観念パラダイムの逆転3 現実とは、人々の意識である
「現実=自分自身」は事実認識(構造論)の核心部
新たなグランドセオリーとしての実現論1−グランドセオリーとは何か
新たなグランドセオリーとしての実現論2−傍観者、あるいは引きこもりとしてのアカデミズム
近代思想は宗教と同根
新しい潮流4 言葉それ自体が引力を持ち得ない時代
若者が実感できる『旧観念』
「何でだろう?」を封印してきた価値観念
同化に不可能視はいらない
相手の感情を前提にしたら『権利』など崩壊する

『るいネット』は、50年の実績を持つ起業家集団・類グループが管理・運営しています。るいネットワーク事務局(Tel:0120-408-333, E-mail:member@rui.ne.jp