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全てを個体に還元することはできない |
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( 37 愛知 建築士 ) |
01/06/16 AM01 【】 |
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こんにちは、芦原さん。
> そういう意味で、全ての条件を個体間競争に還元してしまう、総合説やネオダーウィニズムなどの現在主流と言われている進化観は、誤っているのではないかという気がします。
主流の進化論に関してもう少し正確に言えば、個体間競争に還元しているのではなく、「自然環境」「他種(集団外)環境 」「同類(集団内)環境」、これらの外圧を全て“個体の適応度”に還元しているということでしょうか。
総合説では種や集団も対象としています(ドーキンスをはじめウルトラ・ダーウィニストは違いますが)。しかし、そこでの種・集団の捉え方は、集団を個の集合と見たものでしかありません。個→集団に何らかの影響を及ぼす、または、集団→個に影響を及ぼす。と、あくまで個と集団を対置したものです。この意味において、種・集団を対象としていても、全てが個の適応度に還元される。まずは、個がありき、という前提に立っています。
芦原さんの問題定義は、外圧に適応する主体は何かということでしょうか。例えば自然環境との関係に関して言えば、自然との相互作用で自然を変化させ、自然によって変化する主体は何か?個体なのか?それとも種なのか?
これに対してならば、種が主体であると思います。生物と自然との相互作用する関係性の複雑さはいろいろと指摘されていますが、その関係性の中での進化を考えるならば、個体を単位とする考え方では限界があるのではないでしょうか。芦原さんと同様に、全てを個体に還元してしまう進化論は、誤っているのではないかと思います。
種を構成する個体群は自然環境との関係性では、ほぼ同一の機能・形質を持っているといえます。ダーウィンが注目したように、確かに個体間の差異はありますが、種レベルで比較した場合は、それはなきに等しいでしょう。特別な場合を除き、ある個体は種に属します。ある個体が自然との相互作用で変化するならば、同様の機能・形質をもつ個体群、すなわち種(集団)の単位で変化します。同様にある個体が自然を変化させるならば、種(集団)の単位で自然を変化させます。自然との関係は常に種(集団)単位といえます。
また、種(集団)としての外圧に適応する能力は、集団内での相互作用、相互依存により、各個体はほぼ同一の機能・形質を持ちながら、必ずしも個の総和ではありません。端野さん(5259)、吉国さん(5263)が紹介されている粘菌の飢餓状況での形態形成などのように、集団としての適応力が上昇し、集団だからこそ適応していると見ても良いのではないでしょか。
種(集団)内部での個体どうしや、種と自然との間で、相互依存・相互作用する複雑な系である生物を考える上では、個体の適応度に全てを還元するのは無理なのだと思います。やはり種(集団)としてどのように適応してきたかを考えなくてはならないと思います。また、種としての適応に留まらず、種と種が相互に関係し秩序をつくっている生態系と自然の関係にも目を向けなくてはならないのではないでしょうか。 |
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集団(種)が進化の主体>斎藤さん |
鈴木隆史 |
01/06/18 PM11 |
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