食べすぎは体に悪いと言われていますが、カロリー摂取を制限すると体にはどのような変化が起こるのでしょうか。
以下に掲載したのは、カロリーを自由摂取したサルと制限したサルの比較実験記録をまとめたものです。
以下(リンク)引用
■サルのカロリー制限実験
アメリカでは幾つかの研究施設(国立老化学研究所National Institute on Aging, Baltimoreやウィスコンシン大学Wisconsin National Primate Research Center, University of Wisconsinなど)で寿命がヒトの3分の1程度で進化的にヒトに近い霊長類であるアカゲザルを使った研究が20年以上前から行われています。
研究室で飼育されたアカゲザルの平均寿命は約27年、最長寿命は約40年と考えられています。1989年に開始されたウィスコンシン大学の研究ではカロリー制限開始時に8歳から14歳で、20年経った現時点までにかなりの個体が老年病その他の原因で死亡しています。
久しく待たれていた寿命に対する影響のデータが最近発表されました。自由に餌を食べてきたグループ(自由摂食群)で50%が生存している時点で、カロリー制限をしてきたグループ(制限群)では80%が生存していたということです。自由に餌を食べるといっても食餌を与えられるのは一日6時間から8時間。自由摂食の30%減の食餌を与えられる制限群ではビタミンやミネラルを30%増にされています。
なお、正確に言うと、両群の生存率の違いは加齢関連疾患(がん・心血管疾患・糖代謝異常)による死亡のみを取り出した場合に見られるもので全ての死亡原因でみると違いは見られなくなります。 このグラフから想像すると制限群では最長寿命の延長も見られるかもしれません。最終結果が出るまでにはさらに15年か20年かかるでしょう。
生存個体について加齢関連疾患にかかっていない個体の割合をみると、自由摂食群の平均寿命(約27歳)の年齢で、制限群で約70%、自由摂食群で約20%でした。 この比較でもカロリー制限による明らかな有益効果が見られます。 自由摂食では、かなり若い時から加齢関連疾患が増加し始める点で飽食時代のヒトの場合と似ています。
論文の著者はカロリー制限群では"見かけ"も若々しいと言っていますが、制限サルは確かに色つやが良く、より生き生きと精悍に見えます。
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このように加齢関連疾患(がん・心血管疾患・糖代謝異常)で死亡する割合はカロリー制限をすることで減らすことが出来ると考えられます。 |
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