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『日本婚姻史』の概略 |
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岡本誠 ( 47 兵庫 経営管理 ) |
02/02/04 AM00 【】 |
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「族外婚」の定義が間違っていました。族外婚を他部族との婚姻としたのは間違いで、あくまで部族(胞族)内の、氏族外(単位集団外)との間の婚姻で、いわゆる交叉婚のことです。
『日本婚姻史』の妻問婚(大和時代)までを、概略まとめると以下のようになります。
原始時代、族内婚は当初性別と年齢階級だけの簡単な族組織であったが、次第に複雑化し群内の族制が秩序だってくる。最終的に族内で実母子族(母子小家族)が認識され、初めて禁婚観念がめばえてくる。
群の定着は、縄文前期頃から始まり、中期以降は一般化してくる。生産力の増大、人口の増加から、群はようやく孤立性、移動性をなくし、かつては別れ去った分岐群もいまは隣り合って集落を作るようになる。その段階で群は族内婚から、隣群との族外婚に進む。二群三群でも集落の全男女が相集まって共婚行事をもつ。
(時期がはっきりしませんが、恐らく農耕段階では)族外婚が広域化して外族との和平や政治的、経済的ブロックの拡大を動機とする、クナド婚を発達させた。クナドとは数ヶ村共有のヒロバや入会山、交通の要所で、女たちは胸乳をあらわし、ホトを露出したウズメ式の身振りの尻振り踊りによって他部落の男を誘惑し、子ダネを獲得した。クナド婚により孤立した氏族集落体から部族連合体への道が開かれた。
3世紀頃になるとクナド婚に変革が起こり、男が女の部落へ通う妻問形態の個別婚が生まれる。妻問婚(母系制的対偶婚)は、身柄や生活の拠点は各自の氏族にあり、夫は妻方に通ったり(別居−妻問い)、滞在したり(妻方同居−婿取り)するが、その結合は弱く離合が容易である。妻問婚は、武力を伴う、自己側の祭祀圏に組み入れる方式と並んで、有力共同体が弱小共同体を征服し擬制同族化する方式としてとられた。つまり遠近の同族異族に対する妻問婚によって、父系観念を育成し、妻方に生まれた子を中心に、その一族を擬制同族化し、あるいは同盟氏族に、あるいは部民とする政策がとられた。しかし、庶民(族員層)は村落内婚や入会婚(クナド婚)を行っており、集団の規制下で多夫多妻欲をみたしていた。
以上、必ずしもそのまま信用する必要はないでしょうが、縄文の婚姻制と組織体制、同類圧力の追求に参考になればと思います。
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